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 サッカー日本代表の前に、世界的な名手が立ちはだかった。オーストリア・グラーツで17日(日本時間18日)にあった国際親善試合のメキシコ戦で、日本は0―2で敗れた。日本は前半、何度も好機を迎え、先制のチャンスはあったが、好セーブを連発したメキシコGKオチョアの前に無得点に終わった。

 ミドルシュートも、至近距離の決定機も止めてみせた。経験豊富な35歳のオチョアは、抜群のポジショニングでメキシコゴールに鍵をかけた。

 まずは前半12分。MF原口元気が左から中央に持ち込んで放ったミドルシュートの場面。ゴールの隅を捉えるきれいな弾道だったが、主将マークを巻いた左手をいっぱいに伸ばして左に飛び、球をはじき出した。

 一番の見せ場は、同15分に訪れたFW鈴木武蔵との1対1のピンチだった。ペナルティーエリア内で鈴木がフリーでパスを受けると、果敢に距離を詰め、ギリギリまで体勢を崩さない。シュートの瞬間、体を左に倒してコースをふさぎ、自分の右側に打ってきたシュートを、足で止めた。

 鈴木は「ボールを置く位置も良かった。ちょっと倒れるのが見えて、ファー(足の方)に流し込んだが、足をよく残していた。相手が一枚上手だった」。オチョア側からしたら誘い込むようにも見えた、見事な駆け引きだった。

 ウェーブのかかった長髪をヘアバンドで留める印象的ないでたち。オチョアが世界に名をはせたのは、16強入りした2014年ワールドカップブラジル大会だ。1次リーグのブラジル戦で至近距離のシュートを何度もはじき出し、開催国の強豪と0―0の引き分けを演じた。ブラジルのスコラリ監督が「彼のことは大嫌いだ」というほどの活躍だった。

 この日の試合後、悔しそうに原口は言った。「僕らの流れのときに、決定的な仕事をしたのが彼で、決定的な仕事ができなかったのが僕ら。そこの差は、小さいようで大きな差はあるんじゃないかなと思う」(勝見壮史)