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 収入が少ない家庭の子どもほど体力がない――。そんな「スポーツ格差」があることが、筑波大の清水紀宏教授(スポーツ科学)の研究チームによる実証研究でわかった。来年に延期されている東京オリンピック・パラリンピックを控える中、日本スポーツの貧しさがみえる結果だ。データから浮き彫りになったことを清水教授に聞いた。(聞き手 編集委員・中小路徹

子どもの体力・スポーツ格差に関する基礎的実証研究
自治体の協力が得られた岐阜県多治見市で実施。今年4月に研究成果報告書が公表された。公立の幼稚園と保育園、小中学校の計38校園に在籍する子どもの体力データと、保護者9226人へのアンケート、小5から中3までの児童生徒計4577人へのアンケートをリンクさせ、家庭の社会的、経済的事情と子どものスポーツ活動や体力との関係を国内で初めて検証した。アンケートは一昨年に行われた。

褒められる環境で育っているか

 ――具体的にはどんな結果が出ましたか。

 「収入が高い家庭の子の方が、低収入家庭より、体力テストの総合点が高い。地域クラブや民間のスクールといった学校外スポーツプログラムへの加入率も同傾向でした。特にシャトルランと50メートル走で差が顕著です。最後まで走りきれるかも試されるので、運動習慣や頑張ったら褒められる環境で育っているか、が関係するのかもしれません」

 ――スポーツ格差が実証された意味は。

 「学力格差の研究は20年前から始まりましたが、体育的側面の検証は遅れていた。スポーツの習い事化が進む中、家庭の経済的な条件による格差が確認されたことで政策的な提言もできると思います。特に、格差が幼児段階から現れていることに注目すべきです。これまでのスポーツ政策は体育授業や部活動など、就学後のことが考えられてきましたが、親頼みになる就学前のスポーツ習慣にも焦点を当てる必要性がわかったからです。格差は学年の進行とともに広がっており、幼少期のスポーツ投資の成果が蓄積されると推察されます」

体力が低い子ほど孤独を感じる

 ――スポーツ格差は学校生活にも影響するようですね。

 「体力が高い子は、『何でも話…

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