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 アフリカ東部エチオピアで続く軍事衝突をめぐり、同国のアビー首相に昨年、ノーベル平和賞を贈ったノルウェー・ノーベル委員会が17日、当事者に対して暴力を停止するよう求める異例の声明を出した。AP通信などが伝えた。

 エチオピアでは今月初め、北部ティグレ州の政党ティグレ人民解放戦線(TPLF)が軍事施設を襲撃したとして、アビー首相が連邦政府軍に反撃を命令。軍事衝突に発展した。地元メディアなどは、この2週間ほどの間に数百人が犠牲になり、数千人が隣国スーダンに逃れたなどと報じている。民間人が虐殺されたという情報もある。

 ノーベル平和賞を選考する同委員会は声明で「エチオピアの動向を注意深く追跡し、深く懸念している」としたうえで、すべての当事者に対して「激化する暴力を終わらせ、意見の不一致や紛争を平和的な手段で解決」するよう呼びかけた。

 委員会は昨年、隣国エリトリアとの国境紛争を解決したとして、アビー氏にノーベル平和賞を贈った。国内では民族間の対立などの火種を抱えており、首相就任1年半ほどでの授与は「早すぎる」との見方もあったが、ライスアンデシェン委員長は「アビー氏の努力はいまこそ表彰に値し、激励が必要だ」と語っていた。委員会が過去の授賞に絡んで見解を表明するのは異例。(ロンドン=下司佳代子)