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 児童相談所(児相)が2019年度に対応した虐待件数が、過去最多の19万3千件超となった。前年度からの増加数も3万3942件増と過去最大だった。その背景には、近年の三つの要因があると考えられる。発表されたデータをもとに解き明かしたい。

 まず一つ目、今回の増加の最大の要因になったのは、警察からの通告件数が増えていることだ。厚生労働省が発表したデータから児相への相談経路を種類別にみると、警察や麻薬取締官などの「警察等」が9万6473件と全体の49・8%を占めた。10年前はわずかに6600件、全体の14・9%で、急増ぶりは明らかだ。

 児相関係者に取材すると、警察からの通告が急増しているのは、家庭内暴力(DV)に対する警察の対応の変化が大きいことが分かる。

 ポイントは2004年の児童虐待防止法の改正だ。この法改正で、子どもの目の前でDVを行う「面前DV」が心理的虐待に位置づけられた。こうした見直しを踏まえ、警察がDVの現場に駆けつけた時に子どもが同居している場合には、児相に通告する流れが徹底されつつあるという。19年中の警察から児相への通告内容のうち、43%を面前DVが占めていることからも読み取れる。児相関係者の話では、近年は身体的な暴行を加えていない夫婦の口ゲンカなどの事例でも、警察が対応した際には「面前DVの恐れ」として児相に通告するケースが増えているといい、件数を押し上げる要因になっているとみられる。

 二つ目の要因は、2018年3…

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