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 新型コロナウイルスの軽症・無症状の患者向け宿泊療養施設「湘南国際村センター」(神奈川県葉山町)をめぐり、県から随意契約で運営を委託された業者が、県の承認がないのに別業者に再委託していることが県への取材でわかった。さらに別の業者への再々委託も行われていたという。

 軽症・無症状患者を受け入れる取り組みは、医療崩壊を防ごうと県が独自に始めた「神奈川モデル」の一環。現在も県が承認していない業者が運営に加わっており、県は事実関係を調査している。

 同センターは県の第三セクターが運営する施設で、宿泊用の部屋が約100室ある。県によると、県は施設を借り上げ、4月にビル管理業などを手がける「キョウワプロテック」(以下キョウワ社、福島市)と口頭で随意契約を結んで施設運営を委託した。

 6月に文書化された契約内容によると、県の承認なしに施設運営を再委託できないと定められている。だが県によれば、キョウワ社は医薬部外品の製造販売などを手がける埼玉県戸田市の会社と再委託契約を結び、さらに、この戸田市の会社が東京都千代田区の一般社団法人と再々委託契約を結んでいた。

 県がキョウワ社に確認したところ、承認なく再委託したことを認めたという。現在はキョウワ社と戸田市の会社が施設を運営しているが、県は「キョウワ社の行為は契約違反」との認識を示し、「経緯の報告を受けてから今後の対応を決めたい」としている。キョウワ社は取材に対し、4月の口頭契約の時点では再委託禁止の約束はなかったと説明。6月に文書化した際に再委託禁止条項が記載されたが、「事実関係が先行していたので将来の問題ととらえ、再委託承諾申請を行うことまではしませんでした」とし、「契約違反との認識はございません」との見解を示した。(小寺陽一郎、茂木克信)