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 山陰両県で書店などを経営している今井書店(本社・松江市)の子育て支援プロジェクトが、子どもの安全と健やかな成長に役立つ製品や取り組みなどを表彰する「キッズデザイン賞」に選ばれた。本がある環境を生かした、子どもの興味を広げる様々な取り組みが「書店の社会活動や子育て支援の先進例」と評価された。

 同賞はNPO法人キッズデザイン協議会(東京都港区)の主催で経済産業省などが後援し、2007年から毎年実施。14回目の今年は390点の応募があり、237点が受賞した。今井書店は3部門の中の「子どもたちの創造性と未来を拓(ひら)くデザイン部門」に初めて応募した。

 1872(明治5)年創業の同書店は現在、両県で19書店・CD店を営む。受賞した「子育て支援プロジェクト」は、本の普及で知識や教養が広まり、さらに地域も発展していくとの理念を踏まえ、継続的に開催してきた店舗での絵本の読み聞かせのほか、子どもの成長や保護者を応援する事業などをまとめたもので、2019年にスタートした。書店を取り巻く環境が活字離れなどで厳しさを増す中、地域への貢献と生き残りをかけて力を入れる事業の一つと位置づけているという。

 具体的には今年2月、約2千冊の絵本や書籍をそろえた企業主導型保育所「本のほいくえん」を開所し、書店員が出向いて園児たちに読み聞かせしている。

 また、本との出会いの場として設けた三角屋根の時計塔が目印の「本の学校」(鳥取県米子市)で定期的に開いている演奏会や講演会なども、新たな書店の形を先取りした実績のある事業。多彩な講師陣による書店員らの研修も開かれ、全国から参加があり、多くの「卒業生」が活躍中だ。

 近年では雑貨販売と飲食店も組み合わせた複合施設の開設や学習塾、着なくなった学生服の再利用などにも取り組む。

 審査員からは「本に対する子どもの興味を広げる様々な活動があり、本のリテラシーを高める工夫を評価する」とされた。

 教育事業本部の窪田修二部長は「書店の活動全体を評価されたのは光栄。今後も子どもや保護者、地域を支援する事業を書店員たちと取り組んでいく」と話した。(杉山匡史)