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 茨城県大子町の漫画家、佐藤ダインさん(36)による似顔絵講座が、9日に県立大子特別支援学校(同町)で開かれた。

 「地域と共にある学校」をモットーに掲げる同校は、昨年も地元の芸術家を講師に招いた授業を行った。漫画好きな生徒が多く、絵は自分を表現する手段にもなると、今年は佐藤さんに白羽の矢が立った。

 佐藤さんは、茨城の魅力をユーモアたっぷりに紹介する漫画「だっぺ帝国の逆襲」を小学館WEBサイトで連載したり、同町のイベントで似顔絵ブースを出したりと、地元に根ざした活動を行う。「絵を描く楽しさを世代を超えて伝えられる」と意義を感じ、今回のオファーを引き受けた。

 当日、14人の中学部の生徒らは、佐藤さんが似顔絵を描く様子を見ながらコツを教わった。「描き方に正解はない。あくまで僕のやり方」と前置きした上で、くぼみに影をつけて立体的に見せたり、黒目を茶色と黒色で塗り分けて透明感を出したりと、本格的なテクニックを披露した。

 生徒らは「ダインさん、見て見て!」などと積極的にアドバイスを求めながら、実際に似顔絵を描いた。佐藤さんが「しわは描かない方がいいかなあ」と返すようなほほえましい場面もあった。

 授業後、生徒らは「鼻を小さく描いたら可愛く描けた」、「今までで一番上手にできた」などと満足そうに話した。蛭田清子校長(56)は「顔に手足がついた絵を描いていた子が、今日は首を描いて影もつけていた。教わったことをここまで吸収してくれるとは」。佐藤さんも、「光が当たっている部分を黄色く塗るなどの自由な発想は、自分にとっても刺激になった」と笑顔で話した。

 佐藤さんは同校ホームページで、生徒の日常をあたたかいタッチで紹介する全6回の短編漫画「森野さんのつぶやき」を連載している。第2回まで公開中だ。(大谷百合絵)

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