全国で初の完成、詳細は非公表 原発のテロ対策施設とは
女屋泰之
九州電力の川内原発1号機(鹿児島県)でテロ対策施設が完成し、19日に発電を始めて運転を再開する。福島の原発事故の後、設置が義務づけられた施設で、全国で初めて完成にこぎ着けた。建設の遅れにより原発の長期停止を招き、九電が工事を急いだテロ対策施設とは。
テロ対策施設「特定重大事故等対処施設」は、航空機が衝突するようなテロ攻撃を受けても遠隔で原子炉を制御するためのもので、原発本体の安全対策工事の詳細設計が認可されてから5年以内の設置が義務づけられている。川内1、2号機では緊急時の制御室や注水ポンプなどを備えた建屋を新設しており、大型ビルを地下に埋設するような難工事だという。2420億円がかかっている。
川内1号機は、テロ対策施設が今月11日に原子力規制委員会の使用前検査に合格。九電は17日に原子炉を起動させ、18日には核分裂反応が安定して続く「臨界」に達した。12月中旬には営業運転に入る予定だ。
テロ対策という機密性の高い…
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