仕事や家庭などで悩む男性をサポートしようと、男性専用の電話相談窓口を設ける動きが各地でじわりと広がり、約10年で倍以上に増えた。「男性は強くあるべきだ」といった意識に縛られ、悩みを抱え込んで追い込まれてしまう人も少なくない。専門家は「つらいなら、弱音を吐いてほしい」と呼びかける。19日は国際男性デー。
「はい、こちらメンズほっとライン静岡です」
静岡市内の建物の一室。元教員らの相談員が、かかってきた電話に優しい声で応じる。月2回、夜の2時間、悩みを受け付けている。3人いる相談員は全て男性だ。
静岡市は2008年から、男性専用の相談を始めた。全国で約3万人だった自殺者の約7割を男性が占める現状に危機感を持ったことがきっかけだ。当時を知る関係者は「『こうあるべきだ』といった固定観念が男性を苦しめているのではないか。男性の目線に立った相談が必要だと感じた」と話す。
08年に寄せられた相談は年間11件だったが、徐々に増加。近年は約7倍の年間80件前後にのぼる。「職場に居場所がない」「妻との関係がうまくいかない」「友だちが少なく、孤独を感じる」――。相談内容は仕事や生き方のほか、性に関するものも。30~40代からの相談が多いという。市の担当者は「電話は基本的につながりっぱなし。潜在的需要は大きい」とみる。
内閣府の12年の意識調査によると「他人に弱音を吐くことがある」と回答した男性は28%で、「悩みを気軽に誰かに相談する」は17%にとどまった。
1995年に臨床心理士らボラ…
この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。
この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。
この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。
この記事は有料会員記事です。
残り:700文字/全文:1353文字
2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら
速報・新着ニュース
あわせて読みたい
PR注目情報
※Twitterのサービスが混み合っている時など、ツイートが表示されない場合もあります。
朝日新聞社会部