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 米国で最も権威ある文学賞の一つ、全米図書賞が18日(日本時間19日午前)発表され、翻訳文学部門に柳美里さん(52)の「JR上野駅公園口」(英題Tokyo Ueno Station、モーガン・ジャイルズさん訳)が選ばれた。

 柳さんは1968年生まれ。演劇ユニット「青春五月党」を結成し、93年に「魚の祭」で岸田国士戯曲賞を受賞した。97年に「家族シネマ」で芥川賞。2015年に福島県南相馬市に移住した。

 受賞作は、1964年の東京五輪の前年、福島から出稼ぎのため上京した男性が主人公。故郷の家族を失い、東京・上野公園でホームレスとなる。国内では2014年に刊行された。

 柳さんは、発表後のスピーチで「この喜びを南相馬の人々と分かち合いたい。これはあなたたちの賞です」と話した。

 全米図書賞は1950年に創設。翻訳文学部門は、1年間に米国の出版社で出版された作品が対象となる。日本語から訳された作品が受賞したのは、2018年に受賞した多和田葉子さんの「献灯使」以来となる。(興野優平)