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 年末年始は、新型コロナウイルスの感染拡大が収まらないまま迎えることになりそうだ。さまざまな人の手を介する年賀状による感染リスクを心配する声もある。実際のところはどうなのか。書くとき、届いたものを読むときに注意することはあるのだろうか。

 日本郵便によると、2020年の元日に配達された年賀状などは約12億8700万通。1日あたりの平均約6100万通の20倍に上る。

 民間のネット調査サービス「日本トレンドリサーチ」が21年の年賀状をどうするか1600人にネットでアンケートしたところ、コロナ禍で例年とは行動を変える人がいることが浮かび上がった(https://trend-research.jp/5169/別ウインドウで開きます)。

 例年は年賀状を「送らない」「送らないことが多い」と答えた582人のうち、約6%が21年は「送る」と回答した。一方、例年「送る」「送ることが多い」と答えた1018人のうち、約11%は21年は「送らない」と回答した。理由を「友人知人と会う機会が少なくなったため」「年賀はがきによるコロナの拡散が怖いから」と挙げる人もいた。

 年賀状のような紙に付いたウイルスは、いつまで「生存」するのか。各国の研究チームが、実際の環境ではなく、実験で用意した紙などにわざとウイルスを付けて「寿命」を調べた研究結果が複数、報告されている。

 香港のチームは温度22度、湿度65%の環境で、さまざまな素材にウイルスを付け、検出できなくなるまでの時間を調べた。印刷紙やティッシュペーパーは3時間、紙幣は4日間だった(https://doi.org/10.1016/S2666-5247(20)30003-3別ウインドウで開きます)。米国立アレルギー・感染症研究所などの研究では、温度21~23度、湿度40%の条件で段ボールに付けたウイルスは、24時間後に検出できなくなった(https://doi.org/10.1056/NEJMc2004973別ウインドウで開きます)。一方、オーストラリアのチームは、温度20度、湿度50%では、紙の紙幣でも28日間以上、ウイルスを検出できたと報告している(https://doi.org/10.1186/s12985-020-01418-7別ウインドウで開きます)。

 皮膚に付いたウイルスの量を調べている京都府立医大の広瀬亮平助教は「紙幣で少なくとも数日間、ウイルスが残っているので、年賀状も油断はできないと思う」と話す。実験で、金属やプラスチックよりも表面がざらざらした紙からウイルスをぬぐい取ることが難しいため、ウイルスが紙に残っていても検出できなかった可能性も否定できないという。

 とはいえ、「過度に恐れる必要はない」と広瀬さん。「年賀状を書く前や、届けられたものを扱った後に手を洗うといった、帰宅時やドアノブなどに触った後と同じ基本的な感染対策をとればいいでしょう。私は例年通り、年賀状を書きます」と説明している。(野中良祐