全国大会なくても… 木曽川高生、吹奏楽で対がん支援

小原智恵
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 新型コロナウイルスの影響で吹奏楽の全国大会が中止された今年、愛知県木曽川高校ブラスバンド部(同県一宮市)が吹奏楽の力をがんの啓発に役立てようと演奏活動に取り組んだ。日本対がん協会などのイベントで披露し、11月にはがんの経験者らと交流を深めた。

 同校ブラスバンド部は、全日本マーチングコンテストの常連として知られる。だが今年、目標にしていた全国大会とともに様々な吹奏楽イベントが中止になった。横山美里部長(3年)は「部活動の自粛中に中止を知り、つらくて泣きました」と振り返る。

 横山部長の救いになったのは、2年生部員がリモートで演奏して送ってくれた曲「パプリカ」だった。夏に活動を再開。その頃、がん経験者や支援者から啓発活動について話を聞く機会があり、「私たちが元気にがんばって笑顔を届けよう」と、「命に寄り添う音楽活動」を始めた。

 8月には日本対がん協会がリモートで開いたがん患者支援イベントで演奏。岐阜大付属病院で毎年行われてきたがん患者支援イベント「リレー・ウォーク・ウィークリー」では、7日間にわたってそれぞれの日のテーマに沿った曲を選び、ユーチューブ(https://www.youtube.com/channel/UC6q2u6Pi28L1IIz8tfNzz0w/別ウインドウで開きます)で演奏を配信した。

 11月1日は集大成として、実際にがんの経験者や、子どもを亡くした母親らに話を聞き、交流するイベントを開催。得意のマーチングを披露した。横山部長は「話を聞いた女性の年が近く、大学生でがんになったというお話はもしも自分が……と考えるきっかけになった。コロナがなかったら関わることがなかったかもしれない。『人に届ける』ということを実感できるとてもいい経験になりました」。

 愛知県岡崎市を中心に活動する日本対がん協会の大菅善章さんは「若い人たちにがんについて知ってもらい、一緒になって活動してくれることはありがたい。このような活動を増やしていきたい」と語った。小原智恵