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 北九州市門司区で先月、男性6人が協力し、海に落ちた60代の男性を救った。6人は居合わせた釣り人で、暗闇の中、協力して引き揚げた。門司海上保安部は19日、北九州市と行橋市の6人に感謝状を贈った。

 「たぷん」。10月30日午前5時ごろ、北九州市門司区片上海岸の防波堤で釣り糸を垂らしていた市内の会社員、迎良一さん(56)は波打つような音を聞いた。耳をすますと、「ロープ」と言う人の声。岸壁の3メートルほど下の海で、男性がおぼれまいともがいていた。

 真っ暗の中、「応援をお願いします」と叫ぶと、暗闇から男性5人が現れた。いずれも釣りに来ていた人で、柳原和彦さん(52)は魚をあげるのを手伝ってほしいのかと思い、手に網を持って来た。同僚の尾関勝則さん(30)も「大物かと勘違いした」という。

 迎さんは近くにあった浮輪付きロープを投げたが、途中で切れてしまった。それを見た筒井正さん(48)が20メートルほど先に係留されていた船のロープを引っ張ってきた。ロープを体に巻いた男性を6人で引き揚げた。救助をしながら呼んでおいた救急車に乗せた。男性は手に擦り傷を負ったが、一命はとりとめた。

 柳原さんの同僚の猪俣弘幸さん(36)は「人数が少なかったら、引き揚げるのは厳しかったかもしれない」。妻と来ていた安永海高さん(75)は「全員が冷静に動けて良かった」と振り返った。

 救助された男性も釣りに来ていた。「もし自分だったら」と筒井さん。「帰りにライフジャケットを買いました」(板倉大地)