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 静岡県藤枝市の白子ノ劇場で20~23日、8カ月ぶりの演劇公演がある。同劇場を拠点に活動する劇団「ユニークポイント」の「HOTEL LONDON」だ。新型コロナウイルスに対応して編み出された新しい形式で上演される。

 劇は、殺された「渡辺素子」に関する同僚や元恋人、教え子らの証言で構成される。観客は白い板で仕切られ、円形に設置された12のブース間をイヤホンを持って移動し、置いてあるタブレット端末で12人の証言を順番に視聴する。聞き終えたら劇場の客席に座り、スクリーンに映し出された13番目の女の話を聞く。

 作・演出の山田裕幸さんは「人が集まれない中で、上演できるシステムを考えた」。タブレットはブースに人がいてもいなくても、俳優の姿を再生し続ける。舞台装置からは「コロナ禍で人々が分断されて殻にこもる中、言葉がちゃんと他人に届いているのかという疑念」が浮かび上がる。

 死んだ渡辺素子がどういう人物かは最後までわからない。だが観客は死から広がる波紋と証言者の背景に向き合うことになる。「コロナの死者も単なる数字じゃない。その一人一人に同様の波紋が広がっているはずだ」と山田さんは語る。

 上演は4日間で計9回。各回6人限定。1500円。申し込みは予約サイト(https://ticket.corich.jp/apply/109413/別ウインドウで開きます)で受け付ける。(阿久沢悦子)

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