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 世界保健機関(WHO)は20日、新型コロナウイルスの治療薬として米国や日本で承認されている抗ウイルス薬「レムデシビル」について、「生存率を改善する証拠がない」などとして、入院患者に対して使用しないよう勧告した。

 WHOは先月にも、レムデシビルは「ほぼ効果がない」とする暫定的な見解を示していた。今回は、新型コロナの入院患者7千人以上を対象にした四つの国際的な臨床試験(治験)のデータを分析。患者の生存率や、病状の改善にかかる時間などを検討した結果、「有意な効果はない」と結論づけた。

 ただ、「メリットが一切ないとは証明されていない」として、治験の継続を支持している。患者の重症度を問わずレムデシビルの利用を「推奨しない」という判断は、有益性と有害性を示す全体的な証拠の確かさが低いことも理由の一つだとしている。

 分析結果は英医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)で発表した。(ロンドン=下司佳代子)