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 米大統領選で、支持の強さと厚みを見せつけたトランプ大統領。政権の座から退いても、影響力は衰えそうにない。米国でトランピズム(トランプ主義)は消えないのか。

「怨念から生まれた救世主」中村圭志さん

拡大する写真・図版宗教研究者の中村圭志さん

 トランプ現象は宗教に似ています。人々に救済を約束するのが宗教だとすれば、トランプ氏は、支持者たちにとって救世主に近い期待を集める存在なのだと思います。

1958年生まれ。東京大学大学院博士課程満期退学。専門は宗教学、宗教史。著書に「教養としての宗教入門」。

 もちろん、政治家としての実績を評価している人も多いでしょう。しかし、新型コロナにかかっても「復活」したトランプ氏に、救世主神話のようなものを読み取ることは、米国社会では荒唐無稽な話ではないのです。

 トランプ氏には、世界各地の神話に見られるトリックスター的な性格もあります。うそをついたり、人をだましたりするけれど、結果的に人々に恩恵をもたらす。虚偽のツイートを連発しても支持者が離れないのは、トリックスターとして期待しているからかもしれません。

 宗教としてのトランプ現象は、突然出てきたわけではありません。米国は開拓によってゼロからつくられた国です。人々をまとめてきたのが教会で、宗教による団結が正統性を持っている。さらに、アメリカンドリームという自己実現の英雄神話を求めるところが強くあります。一方で、自己実現できなかった人たちは、成功した人たちへの怨念を抱かざるをえない。それをすくい上げた「救世主」がトランプ氏です。トランプ現象は、米国の怨念と分断の歴史から生まれたものです。

 今回の選挙では、陰謀論が飛びかいました。

 先進国では珍しく宗教の影響力…

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