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 いま、世界は文化も生活様式も平準化しつつある。だが、国立民族学博物館(みんぱく、大阪府吹田市)の特別展「先住民の宝」をのぞくと、グローバル化の波間に顧みられることのなかった先住民たちの強烈な誇りと伝統が伝わってくる。

 世界には70カ国以上に約3億7千万の先住民、5千以上もの民族が存在するという。マイノリティーの悲哀を受けつつも強く生きる彼らのよりどころとなってきた造形約740点を並べた。

 動物や虫、さっぱり正体のわからない宇宙人みたいなものも。マレーシアの先住民オラン・アスリの精霊たち、異界の住人だ。かつての日本にうごめいた妖怪や八百万の神々にも似て、森羅万象に霊が宿るアニミズムの記憶を、彫像たちは私たちに呼び起こす。

 オーストラリア先住民のアート、マヤ(グアテマラ)の民族衣装、北米北西海岸の信仰具。アフリカのサンやソマリのアイテムにも先祖代々の暮らしの知恵が凝縮される。アイヌ関係も狩猟具や日用品など多彩で、漫画「ゴールデンカムイ」とのコラボも。人類文化の豊かさを再認識できる。12月15日まで。みんぱく(06・6876・2151)。(編集委員・中村俊介