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 政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は20日、一部の都道府県が感染急増段階の「ステージ3」に入りつつあるとし、これらの地域で「Go To トラベル」の運用見直しを求める提言をまとめた。西村康稔経済再生相は分科会後の会見で「早急に対応を検討したい」と述べ、政府が21日に開く対策本部で対応を協議する。

 提言では、個人の努力に頼るだけでなく、「より強い対応」を期待したいと言及。3週間程度の期間限定で、感染拡大している自治体には、酒類を提供する飲食店に夜間の営業時間の短縮などを要請してもらい、これらの自治体への財政支援を国に求めた。

 「トラベル」の運用見直しについては「政府の英断を心からお願い申し上げる」と述べ、政府に決断を迫った。

 分科会は、感染状況を①感染者が散発的に発生②漸増③急増④爆発的に感染拡大という四つに分け、ステージが上がるごとに感染対策を強める考えを示してきた。ステージ4では「緊急事態宣言など強制性のある対応を検討せざるを得ない」とし、ステージ3では、夜間や酒類を提供する飲食店への外出自粛や、感染予防が徹底できない場合に感染拡大地域との行き来の自粛などを求めていた。

 政府の「トラベル」や「Go To イート」もステージ2以下で実施するよう9月に提言していた。人の移動や会食を促すため、感染拡大につながる恐れがあるためだ。

 これまで、どの都道府県もステージ2以下とみなされてきた。11月に入って北海道や東京都などでは、分科会が示したステージ3の六つの指標のうち多くで上回るが、判断は知事に委ねられ、分科会のステージに即した対策の議論は進んでいなかった。

 分科会がこの日まとめた提言では、いくつかの都道府県では一部地域でステージ3相当の強い対策が必要な状況と指摘。「トラベル」の一部区域の除外を含めて、政府に早急な見直しを求め、「イート」についても、感染状況を踏まえ、知事が食事券発行の一時停止などを検討するよう国に要請した。

 19日に会合があった厚生労働省の専門家組織は、「北海道の一部の地域では、接触機会の削減・行動制限などの強い対策が求められる状況」と評価。東京都、大阪府、愛知県もこの状態に「近づきつつある」とした。今回の提言では、どの都道府県がステージ3相当かは示していないが、分科会後の会見で尾身茂会長は「我々専門家の判断」と断った上で、これらの地域を例示した。

分科会がまとめた政府への提言の骨子

 ・ステージ3に入りつつある都道府県がある。その一部の地域では、既にステージ3相当の強い対策が必要な状況に達したと考えられる

・感染の増加と減少の要因の拮抗(きっこう)が崩れた今、短期間(3週間)に集中し、感染リスクが高い状況に焦点を絞る。以下の点が特に重要

①営業時間の短縮

 感染拡大の自治体はできるだけ迅速に、3週間程度の期間限定で、酒類の提供を行う飲食店に対し、夜間の営業時間の短縮要請または休業要請を行ってもらう

②地域の移動にかかわる自粛要請

 感染予防を徹底できない場合は感染が拡大している地域との移動を自粛

③「Go To キャンペーン」事業の運用見直しの検討

・「Go To トラベル」は、都道府県知事の意見も踏まえ、一部区域の除外を含め、運用の早急な見直しの検討

・「Go To イート」は、プレミアム付き食事券の新規発行一時停止、発行済み食事券やオンラインで飲食予約したポイントの利用を控える呼びかけ

④これまでの取り組みの徹底

・年末年始の休暇分散

・小規模分散型旅行の推進

⑤経済・雇用への配慮

 この対策は経済・雇用への影響が大きく、政府においては財政支援などを迅速に

⑥人々の行動変容の浸透

・「五つの場面」(飲食を伴う懇親会など)の回避を今まで以上に順守

・職場でのテレワークを今まで以上に推進