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 夫婦以外の第三者から卵子や精子の提供を受けて生まれた子どもの親子関係を民法の特例で定める生殖補助医療の法案をめぐり、優生保護思想につながりかねないとの指摘が出ている。

 法案は自民、公明、立憲民主・社民、維新、国民民主の各会派による共同提案の議員立法で、20日の参院本会議で賛成多数で可決した。近く衆院で審議が始まる見通しだが、立憲の阿部知子衆院議員が法案の一部削除を求める意見書をまとめ、週明けにも党内の関係の部会に出す意向だ。

 問題とされているのは、基本理念を定めた3条4項の「生殖補助医療により生まれる子については、心身ともに健やかに生まれ、かつ、育つことができるよう必要な配慮がなされるものとする」という条文。阿部氏は「心身ともに健やかに生まれ」との表現は、1996年に廃止された優生保護法につながりかねないと指摘する。小児科医でもある阿部氏は「出生前診断が可能となった今日、安易に是認できない」としている。

 日弁連もこの点について「障がいや疾病を有する子の出生自体を否定的に捉える懸念がある」との声明を出している。

 日本障害者協議会の藤井克徳代表は朝日新聞の取材に「『心身ともに健やか』と思うのは自由だが、立法理念とした瞬間、優生政策の片棒を担ぐことになる。受け入れられない」と語った。