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 20日の文化審議会の答申で、宍道湖に浮かぶ「嫁ケ島」(松江市浜乃木町)が国の登録記念物(名勝地関係)に登録され、国史跡「出雲国山陰道跡」(出雲市斐川町)の一部区間が新たに史跡に追加指定される見通しになった。県内の登録記念物(名勝地関係)は計7件となる。庭園以外が登録されるのは初めて。

 嫁ケ島は宍道湖唯一の島で、東西約110メートル、南北約30メートル。登録されるのは周囲の河川区域も含め約3万平方メートルに及ぶ。松江市によると、約1200万年前の火山活動で噴出した黒色玄武岩で形成され、奈良時代の地誌「出雲国風土記」には「蚊島」の名称で出てくる。松江城の初代城主・堀尾忠晴(1599~1633)が宮島の厳島神社から弁財天を勧請し、まつったことで、神域としても認知されるようになった。

 近代以降は護岸が整備され、クロマツ、エノキなどが植えられたという。2007年度には、対岸に遊歩道や夕日を観賞するテラスが整備され、多くの市民や観光客が訪れる景勝地として知られている。

 市まちづくり文化財課の担当者は「古代から存在を知られ、神域としても保護されてきた。現在も松江を代表する景勝地として愛されており、登録記念物に登録する価値は非常に高い」と話す。

 出雲国山陰道跡は奈良時代前半の道路遺構。工業団地造成に伴う発掘調査で13年に発見された。丘陵の尾根上にあり、幅9メートル、延長1キロ。7世紀後半以降の須恵器、7世紀末~8世紀前半の土師器(はじき)が出土し、8世紀前半には道路として機能していたとみられる。

 出雲市によると、約650メートルの区間が18年2月に国史跡に指定された。今回追加指定されるのは東側約350メートルの区間という。

 市文化財課の担当者は「起伏のない直線道路を造るため、切り土・盛り土工法や切り通し工法が使われている。当時の土木技術を知ることができる貴重な遺跡」と評価する。遺跡の状況を出雲国風土記の記述と照合することで、沿道の古代景観を復元することが可能になるという。(浪間新太)

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