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 新型コロナウイルスの感染拡大が懸念される中、郊外の屋外観光地が人気だ。近場を観光する「マイクロツーリズム」が注目され、3密を防げる公園や渓谷などに自家用車で出かける人が増えているようだ。広島県観光連盟の担当者は「これを契機に、近場の観光地にも目を向けて」と話す。

 11月上旬の土曜日。世羅町のせら夢公園は家族連れでにぎわっていた。マスクを着けた子どもたちが広場を走り回ったり、遊具で遊んだり。広島市南区から家族4人で訪れた会社員の男性(33)は「広い公園なので3密を気にせず思い切り遊ばせられる」と話した。

 せら夢公園の来園者数は4月に前年同月の34%まで落ち込んだが、その後は徐々に回復し、7月には前年を上回る同126%、8月は同146%を記録した。以前は観光バスの団体客が多かったが、今はほとんどが自家用車で、大半が県内ナンバーという。担当者は「初めて来る人も多い。ファンになってもらえるようサービスにより一層力を入れたい」と意気込む。

 安芸太田町と北広島町にまたがる国の特別名勝・三段峡。一般社団法人「地域商社あきおおた」によると、国の緊急事態宣言が発令された4~5月も観光客はほとんど減らず、10月現在でも平年並みの客が訪れているという。自家用車の多くは広島ナンバーだが、9月ごろから県外ナンバーの車も増えた。紅葉の季節に入り、キャンピングカーで訪れる人も多いという。担当者は「外国人観光客には人気だが、県内ではあまり知名度が高くなかった。渓谷を散歩するとリフレッシュになる。これを機会に多くの人に楽しんでほしい」と話す。

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 県内の日本人宿泊者数は、国の観光支援策「Go To トラベル」の影響などで5月を底に回復傾向にあるが、前年の半分程度にとどまっている。

 観光庁の宿泊旅行統計調査によると、県内の宿泊者数は5月に前年比81・3%減まで落ち込んだ。緊急事態宣言が解除され、Go Toや県などの宿泊キャンペーンが始まると、宿泊者は徐々に増加。8月は同53・8%減まで持ち直した。

 県観光連盟によると、遠方からの観光客は激減した一方、県内や隣県からの観光客が増加傾向にある。10月に東京発着の旅行もGo Toの対象になり、年末年始にかけて宿への予約が急増しているという。ただ、新型コロナの再流行に伴い、先行きは不透明だ。担当者は「まずは県内や隣県の人たちに広島の魅力を再発見してもらいたい」と話す。(松島研人)

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