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 性暴力を受けた被害者の多くが、明確な暴行や脅迫がなくとも恐怖で抵抗できず、被害だと認識するまでに平均で7年半かかっていた――。そんな実態が、性暴力被害の当事者らによる一般社団法人Springの調査で明らかになった。Springが20日、東京都内で開いた集会で報告し、「回答を重く受け止め、社会に反映させたい」と訴えた。

 調査は性暴力被害者を対象に、8~9月にインターネットで行い、5899件の回答があった。女性が9割以上を占めたが、男性や性的少数者からも回答が寄せられた。

 「衣服の上から体を触られた」とする被害が3770件で最多。「衣服の下の部分の体を触られた」が2039件、「性器などを見せられた」が1845件と続いた。

 体の一部や異物を性器などに挿入されたり、させられたりしたという回答は1274件。「凶器を使用した」(44件)や「凶器は使用していないが、脅迫や暴行を行った」(171件)など、明確な暴行や脅迫があったとの回答は少ない傾向だった一方、「加害者がだんだんと身体接触を増やした」(521件)や「何も言わず突然性加害をした」(499件)、「だまして人のいない場所などに連れ込んだ」(423件)などが多くを占めた。

【連載】子どもへの性暴力
子どもたちの心身とその後の人生を脅かす性暴力について考える企画「子どもへの性暴力」。第2部は、家庭内での性暴力について取り上げます。

 また、約6割が、被害後すぐに「被害」と認識できなかったと回答。認識できるまでの期間は平均で約7年半だった。被害時に6歳以下だった場合、4割以上が被害の認識までに11年以上かかっていた。分析した目白大専任講師の齋藤梓さんは「子どもの場合、自分の身に起こったことが何か認識できない。また、顔見知りの人からの被害だと、『見知らぬ人から突然襲われる』というイメージと合致せず時間がかかることもある」と述べた。

 挿入を伴う被害のうち、警察に相談したことがあると回答したのは16・3%にとどまった。また、自由記述では、「被害者を責めない」(526件)や「セカンドレイプをなくす」(241件)など、性暴力被害者に対する社会の認識や行動に変化を求める回答が目立ったという。

「性的同意年齢」の引き上げ求め4万人超の署名

 刑法では、強制性交等罪の適用には暴行や脅迫が要件となり、公訴時効は10年だ。Spring代表理事で、法務省が設置した刑法の見直しを検討する有識者会議の委員でもある山本潤さんは、「(同意のない性行為を犯罪とする)不同意性交等罪の創設や、公訴時効の撤廃が必要。被害者の声を受け止め、被害を安心して訴えられる社会にする必要がある」と訴えた。

 また、13歳とされている「性的同意年齢」の引き上げを求め、7月からインターネットで署名を集めていた大学生が20日、4万人超の署名と要望書を上川陽子・法相あてに提出した。

 署名を呼びかけていたのは、学生団体「Your Voice Matters」のメンバー。

 刑法では、13歳未満の子どもに対しては性行為をするだけで犯罪とされるが、13歳以上だと「暴行又は脅迫を用いて」という条件がつく。13歳以上は性行為に同意する能力があるとされており、13歳で性的暴行を受けた場合、「どのように脅迫されたか」「どのくらい抵抗したか」などを具体的に説明することが求められる。

 要望書では、諸外国と比べても「13歳」は低年齢であることや、中学の学習指導要領で「性交」は扱わないとされていることなどから、性的同意年齢を16歳に引き上げるよう求めた。

 提出した関西学院大4年の女性(21)は、「私たち自身、性的同意年齢が13歳だと知ったのは大学生になってからで、とても驚いた。今回の署名を通じて『初めて知った』という人も多くいた。義務教育で『性交』について学ぶ機会もないなか、心身ともに未熟な未成年を性犯罪から守るためにも、性的同意年齢の引き上げは重要だ」と話した。

 性犯罪・性暴力対策について、…

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