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 鹿児島県西之表市の馬毛島で計画されている米軍機の陸上離着陸訓練(FCLP)と関連の自衛隊基地整備について、地元の賛成、反対両派の住民らが相次ぎ上京し、防衛省にそれぞれの主張を訴えた。計画に向けた海上ボーリング調査の手続きが始まり、来年1月には市長選が予定される中、馬毛島をめぐる動きが活発になってきた。

 賛成派の「馬毛島の自衛隊・FCLP訓練を支援する市民の会」のメンバーは13日に防衛省を訪れ、中山泰秀副大臣に面会。基地整備や部隊の駐留が地元経済にもたらす波及効果は大きい、などとして施設整備の促進を求める要望書を提出した。中山副大臣は「心からありがたく思う」と応じ、「馬毛島は素晴らしい立地。いい訓練をできる場所だと思う」と述べた。

 市民の会の杉為昭事務局長は、9日に上京した八板俊輔市長が岸信夫防衛相に「反対」を直接、伝えたことを受けた「急きょの要請」と副大臣に説明したうえで、「市長の話では市全体が反対のようだが実は違う。賛成も多い、と伝えたかった」と訴えた。

 16日には計画に反対する「馬毛島への米軍施設に反対する市民・団体連絡会」のメンバーらが上京。野党の国会議員による「沖縄等米軍基地問題議員懇談会」が参院議員会館内で行った馬毛島の問題をめぐる防衛省地方協力局へのヒアリングに参加し、計画中止を求めて全国から集めた約30万筆の署名も同省に提出した。

 連絡会の山内光典事務局長は「米軍機の騒音で島民の平穏な生活は根底から覆される」と批判。他のメンバーも、同省側がFCLPの飛行経路として種子島近くの洋上を旋回する図を示しているのに対し、「高速で訓練している戦闘機が、種子島上空を飛ばないはずがない」とただした。

 ヒアリングの冒頭、県選出の川内博史・衆院議員(立憲)は「住民の理解、納得があるか、というと全然そういう状況ではない。安全保障に絡む大規模施設を、普通の公共事業のように進めては政府にとって大変な禍根になる」と述べた。

 一方、八板市長は18日、馬毛島の問題で塩田康一知事と県庁で個別に意見を交換した。終了後、市民の間で賛否が割れていることを記者団に問われた八板市長は「『集約する』というつもりはないが、市民に私の考えや経過を説明する場を設けたい。正確な情報を提供し、しっかりした考えを持って頂くことを目指す」と話した。(伊藤嘉孝、奥村智司)

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