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 山形県酒田市山居町1丁目にある「山居倉庫」が国史跡に指定される見通しになった。20日、国の文化審議会が文部科学相に答申した。県内の国史跡は30件目。酒田市内では4件目で、明治時代以降のものでは初めてとなる。同日夕、記者会見した丸山至市長は「酒田のシンボルで宝物。未来永劫(えいごう)、行政が責任をもって維持管理していく」と話した。

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 山居倉庫は1893(明治26)年、庄内産のコメを保管・取引するため、酒田米穀取引所の付属倉庫として建てられた。同年建設の6棟、1916(大正5)年までに増設された6棟の倉庫計12棟のほか、事務所棟、東宮殿下行啓記念研究室、板倉、山居稲荷神社などがある。倉庫西側には日よけや風よけとして植えられ、大木に育ったケヤキ35本の並木が並ぶ。

 審議会の答申では「コメが自由取引されていた米券倉庫時代から食糧管理制度下の時代を経て、建築後120年以上も現役使用の倉庫が現存し、近現代の米穀流通の歴史を知る上で重要」などと評価された。

 倉庫は白壁で土蔵造り。庫内の温度や湿度を保つため、屋根を二重構造にし、にがりで土間を練り固めるなど、江戸時代から伝わる保管技術を採り入れる。

 倉庫3棟は土産物販売などの観光施設や庄内米歴史資料館に使われているが、残り9棟は今も現役だ。18万俵(1万800トン)を収容できるといい、所有者の全農山形と庄内倉庫によると、現在もコメ6万俵を保管しているという。

 今回の答申を受け、市は来年度から山居倉庫の保存活用計画を作成する。将来は施設全体を取得する方針で全農側と調整中だ。前向きな回答は得ているが、具体的な協議はこれからだという。(鵜沼照都)

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