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 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、「Go To トラベル」の運用見直しなどを提言した政府の対策分科会の尾身茂会長は20日、会合後の会見で「感染がここまでくると、人々の行動変容だけでは感染を下火にできない」と理解を求めた。感染を抑え込む必要がある地域で、感染リスクを伴う「トラベル」を並行して推進することは「整合性がない」と訴えた。

 提言では、分科会が感染状況を区分したステージ1~4のうち、上から2番目のステージ3(感染急増段階)に入りつつある都道府県があると言及。尾身氏は「我々専門家の判断」と断った上で、札幌市は「ステージ3に入っている」とし、「東京や大阪などはステージ3に入りつつある」と述べた。

 ステージ3に当たるかは、地元の知事の判断に委ねられている。尾身氏は「ステージ3相当になったら、人々の努力だけでは感染拡大の抑制は難しい」と指摘し、「トラベル」の運用見直しを求めた。

 尾身氏は「感染拡大は色々な要素を受けるが、その一つが間違いなく人の動き」と指摘。飲食時のマスク着用や人との距離の確保といった様々な感染対策を求めている中で、「『Go To キャンペーン』で人が動くということですから、こういうことを続けてしまうと、メッセージの一貫性がなくなる」と強調した。

 一方、「トラベル」が「感染拡大の主要な要因であるとのエビデンスは現在のところ存在しない」という。

 尾身氏はこれまでの取り組みを振り返り、「我々の努力不足、方法がまずかったのかもしれないが、警告メッセージが人々に十分伝わっていなかった」と話した。提言を政府が受け入れるかは「わからない」とし、「提案すること自体も非常に重要な課題だということで、この数日、ほとんどみんな寝ずに考えてきたようなところがある」と述べた。