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 滋賀県東近江市の湖東記念病院で死亡した男性患者に対する殺人罪で服役した後、今年4月に再審無罪が確定した元看護助手の西山美香さん(40)が、国家賠償法に基づき、国と県に損害賠償を求めて大津地裁に提訴する方針を固めたことがわかった。年内の提訴を視野に準備を進めており、請求額は検討中という。

 関係者によると、滋賀県警と大津地検による当時の捜査の実態を明らかにする目的もあるという。大津地裁でのやり直し裁判(再審)では、男性刑事が西山さんの迎合的な供述をする傾向や恋愛感情を利用して自白へ誘導したと判決で指摘したが、刑事本人の証人尋問は行われなかった。

 西山さんは提訴について「滋賀県警が不当な捜査があったことを認めて謝ってくれたなら、こんなことをしなくて済んだ。(国賠は)長い裁判になるだろうが、また冤罪(えんざい)を生まないためにがんばりたい」と朝日新聞の取材に語った。

 西山さんに対しては、今年10月、大津地裁が約6千万円の刑事補償金を支払う決定を出した。これは無罪が確定した人が刑事補償法に基づいて請求できるもので、拘束日数1日あたり1万2500円という上限がある。国家賠償請求訴訟では「捜査の違法性」を問うという。(新谷千布美)