内線続くシリアで横田めぐみさんの壁画=ムハマド・ハジ・カドール氏撮影
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 内戦が続くシリアで、アサド政権に反対する活動家たちが、北朝鮮による拉致被害者・横田めぐみさんと父滋さん(故人)の壁画を描いた。国連の調査委員会や反体制派は、政権側の治安機関などによって大勢の市民が姿を消したり、拘束されたりしたとしており、活動家らは「日本でも子どもが拉致されたと知り、連帯の気持ちを示そうと思った。シリアの悲惨な現状を知ってほしい」と訴える。

 壁画は、活動家らが反体制派の最後の大規模拠点となっているシリア北西部イドリブ県のビンニシュで、政権軍側の空爆で破壊された住宅跡の壁に描いたという。日本の支援者から送られた写真をもとに、めぐみさんの拉致から43年になる15日に作成した。

 シリアの人権・人道問題に取り組むNPO理事長で東京大大学院生の山田一竹さんが、アサド政権へのロシアの支援に抗議し、10月末にドイツのロシア大使館前で強制失踪者の解放を求めるハンストをした。これがシリアで伝えられ、日本への関心が高まったことが壁画のきっかけという。

 活動家らは5月に米国で黒人男性が白人警官の暴行で死亡する事件が起きた際には、黒人差別反対を訴える「ブラック・ライブズ・マター」運動に連帯し、犠牲者ジョージ・フロイドさんの壁画を描いている。(編集委員・北野隆一