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 東京都千代田区教育委員会で教育長が1カ月以上にわたって空席となっている。前教育長の坂田融朗氏(62)が10月18日の任期満了で退任した後、石川雅己区長が後任の任命案を区議会に提出していないためだ。区教委は「実務上の問題はない」とするが、教育行政トップの長期不在に庁内からも懸念が出ている。

 石川区長が一般に販売されていない区内の高級マンションを親族と共同購入していた問題をめぐり、区長が今夏、区議会の解散通知を議長に出した騒動の余波とみられる。

 区長が最終的には解散通知を取り下げるまでに、坂田氏は、区長、区幹部らとともに区議会予算特別委員会を欠席した。坂田氏は「(区長の判断を)尊重するしかない立場」と主張したが、区議からは「独立した教育委員会の長としての資質に問題がある」との指摘が上がっていた。

 石川区長は本来は坂田氏を再任する予定だったとした上で、続投案に議会側の同意を得られる見込みがないとして、議会定例会の最終日までに任命案を提案しなかった。石川区長は取材に対し、「望ましい状態ではない。苦渋の判断だったが、区政の功労者に傷をつけるべきでないと考えた」と明かした。

 区によると、長期の教育長不在は、1年間空席が続いた2008~09年以来。区の教育委員会は23区の中では珍しく、保育、児童養護分野なども所管している。現在は部長職が決裁などの事務手続きを代行しているが、区教委幹部からは「教育長同士の会議や対外的な交渉事などに支障がないとは言いがたい」と懸念も上がっている。(大山稜)