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 ハンセン病への誤った国策で偏見と差別にさらされた元患者の家族に対し、国が名誉回復に取り組むとともに、補償金を支払う法律の施行から22日で1年を迎えた。この間、補償金を請求した家族は対象の2割強。ハンセン病をめぐる教育、啓発のあり方が問われるなか、ようやく心のケアや相談事業といった家族への支援が動きはじめた。

 法律では精神的苦痛への慰謝として、元患者の親や子、配偶者に180万円、兄弟姉妹、同居の孫やめい、おいらには130万円の補償金を請求に基づき支払う。厚生労働省によると、13日現在、請求を済ませたのは6431人。厚労省が推計する対象家族(2万4千人)の26・7%だ。

 厚労省は全国13カ所の国立療養所や自治体、インターネットなどで補償法を周知してきた。「十分とはいえないので、しっかり補償制度の存在が伝わるよう発信したい」と説明する。

 家族訴訟の弁護団共同代表、八尋光秀弁護士は「すでに請求した人たちは親族や友人関係などにおいて、現実的な不安をクリアできた人たちと考えられる。これからは偏見差別を恐れ、乗り越えていく具体的なすべのない人へのアプローチが必要」と話す。

 昨年6月の熊本地裁判決は国の誤った隔離政策などによって元患者の家族が差別を受けたことを認め、政府が家族に謝罪。昨年10月、偏見差別の解消に向け、家族側と国(厚労省、文部科学省、法務省)との協議の場ができたが、コロナ禍で2回しか開かれていない。

 厚労省は今年11月半ば、全国を8地区に分けて家族の交流会を開く事業や同じ立場の人が相談を受けるピアサポート事業、啓発のために講師を自治体や企業、学校などに派遣する事業を開始。現在、事業の委託先が相談員などを調整している。(高木智子

「痛みを知っているから」支援する側に

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