パリ=疋田多揚
警察官の顔を撮影して拡散することを禁じる法案が、フランスで成立しようとしている。警官の身元が特定され、攻撃の対象になるのを防ぐ目的だと政府は説明する。これまで警察による暴力や差別発言が、市民による動画撮影で暴かれており、人権団体などからの反対の声は強い。
法案の名称は「グローバルセキュリティー法案」。警察がドローンを使ってデモを撮影することに法的根拠を与え、警察官が捜査相手を撮影する目的で装着するボディーカメラの活用を広げることも盛り込んだ。
最も問題になっているのが、治安当局者の撮影と拡散を規制する条文だ。警察官の顔など、本人が特定される要素を撮影した映像を、本人の心身を傷つける目的で拡散した場合、禁錮1年、罰金4万5千ユーロ(約550万円)を科すと定める。
17日に下院で審議が始まると、「デモや報道の権利を妨げるものだ」「記者の自己検閲につながりかねない」との批判が野党を中心に相次いだ。火に油を注いだのがダルマナン内相だ。「(警官の)映像をインターネットに流す場合は、ぼかさなければならない」「デモの取材には当局への事前連絡が必要だ」と主張。いずれも法案に明記されておらず、不信は与党内にまで広がった。
慌てた政府は19日、修正案を協議し、この条文に「報道の権利を損なわずに」という文言を加えることを決めた。
法案は近く与党の賛成多数で可…
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朝日新聞国際報道部