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 故障や劣化で演奏出来なくなったギターをペイントするなどし、アート作品として競い合う。金沢市の経営者2人がそんなコンテストを企画し、作品を募集している。新型コロナウイルス禍で作品発表の場を失った芸術家を支援する試みだ。エリック・クラプトンやエディ・ヴァン・ヘイレンらのようなインパクトあるギターは集まるのか?

 出展予定は約20本。同市内の事務所にはすでに全国から個性豊かなギターが届き始めている。展示前なので詳細は書けないが、作家が制作中の画像などを見せてもらうと、チョウのような優美な文様や、サイケデリックなアートワークなど、目を楽しませるものばかりだ。

 題して「ジャンクギターアートコンテスト」。イベント会社と人材紹介会社をそれぞれ営む辻祐基さん(33)と西江顕治さん(42)が企画した。「どんな物が来るかと心配していたが、想像以上の力作が届いている」と辻さん。

 ギターはエレキでもアコースティックでもOK。集まった作品は12月19日~来年1月17日に石川県野々市市の家具・雑貨店「ウェルスプリング」で展示すると同時に、インスタグラム上で公開。そこでの「いいね!」の数で審査するという。開催にあたっては、クラウドファンディングで支援金を募っており、その資金を上位3作品に賞金として分配するという。

 2人はこの春、新型コロナで苦境にあえぐ飲食店支援のため、パチンコ店の駐車場を借りたテイクアウトイベントを行ったが、コンテストはそれに続く企画だ。ギターを介した芸術家支援にしたのは、2人ともかつてバンドマンだったから。

 西江さんは20代の頃、人気バンドを輩出した東京のライブハウスでも演奏した本格派。担当はベースだったが、ギターもこよなく愛する。「ギターを一言で表せば『青春』。その1本を見れば、昔の感情がよみがえる特別な道具ですね」

 対する辻さんは60、70年代のロック好きで、クリーム時代のエリック・クラプトンが弾いた派手にペイントされたギブソンSGなどのギターに学生時代から憧れていた。

 「自分も昔からオリジナルな1本を欲しいけど売っていない」「なら、コンテストで作ってもらおうよ」

 2人のそんな何げない会話が今回の企画に発展。知人のアーティストにも声をかけ、10月から作品を募り始めたという。

 演奏できないギターは本来は不用品だ。だがアート作品に仕立てれば、住宅や飲食店などに飾り、鑑賞できる、と辻さんは言う。ギターは展示後に販売。不用品の再利用は国連が掲げる「持続可能な開発目標(SDGs)」の一つ「つくる責任 つかう責任」にもかなうと2人は強調する。

 応募申し込みは11月30日まで。送料は自己負担だが出展料は無料。辻さんは「家に眠ったギターを気軽に送ってほしい」と呼びかけている。詳細はイベントのウェブサイト(https://junkguitar-art.jp/別ウインドウで開きます)で。(波多野陽)

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