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 JR東日本は来春のダイヤ改定で、常磐線を含む一部路線の終電時刻を早める。新型コロナウイルスの感染拡大で深夜帯の乗客が激減したためだが、終電後の保守作業の現場負担を軽減する「働き方改革」の狙いもある。深夜作業の様子をみてもらおうと、同水戸支社が現場を公開した。

 11日午前1時過ぎ、水戸市の偕楽園駅。品川発勝田行きの最終列車が走り去ると、駅から水戸駅側に600メートルほど離れた線路上に、作業員十数人が続々と集まってきた。

 この日の作業は、レールを固定するコンクリート製の「まくら木」の交換。下の面にウレタン製の弾性材を貼った新型に置き換える。列車の衝撃を和らげることでレール周辺の砂利が崩れにくくなり、線路のゆがみや整備作業を軽減できるという。

 重機や人力で砂利を掘り返して古いまくら木を引き抜き、新型を挿入してレールを固定。再び砂利を敷き詰め、最後に線路にゆがみがないか点検する。まくら木は長さ2メートル、幅20センチで、1本160キロ。2人で運んだり、長時間スコップを振るったりと重労働だ。休憩なしで3時間続けた。

 この日、一晩で取り換えたのは12本。同支社は2017年から、常磐線の赤塚―水戸間と荒川沖―土浦間で交換を始めたが、管内全域で完了するには40年ほどかかるという。

 同支社管内では昼夜含めて年間約1万9千件の保守作業を行っているが、作業員の人手不足が深刻だ。JR東日本全体が委託している下請け企業の保守作業員は、この10年で2割減。4分の1が60代で、高齢化も進む。背景の一つは、厳しい労働環境だ。夜間の労働が多く休みは週1日程度で、作業員の確保や定着が難しくなっているという。

 同支社設備部長の堀込順一さん(54)は「終電時間が繰り上がることで1日の作業時間が延び、効率化できる。休みの日数確保など、作業員の負担軽減につなげたい」と話す。(大谷百合絵)

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