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 不動産を借りにくい高齢のシングル女性と、介護福祉士として働くために来日した外国人女性がともに暮らすシェアハウスが来春、大阪市住吉区に誕生する。空き家となった築約60年の集合住宅を生かす取り組みだ。困ったときにお互いが助け合う。そんな関係を築ける家をめざす。

 女性専用シェアハウス「コモンフルール」は木造2階建てで延べ床面積約189平方メートル。9室を備え、1階は60歳以上のシングル女性3人、2階は外国人6人が住めるようにする。

 風呂とトイレは共用。1階のキッチンはリビング、ダイニングと一体化し、みんなが集まれるよう大きなテーブルを置く予定だ。

 外国人女性たちには異国暮らしの不安を軽くし、シングル女性たちがいざという時には見守ってもらう。双方がゆるやかに支え合う暮らしが目標だ。

 元の建物は「文化住宅」といわれる老朽化した集合住宅だ。シェアハウスにするにあたり、大阪市立大の石山央樹(ひろき)准教授が耐震補強を担当し、学生の学びの場としても活用している。

 10月中旬、リフォーム中の現場に、建築を学ぶ市立大の学生らが集まった。ほぼ骨組みだけになった屋内で石山さんが説明した。

 「この建物は高度成長期に建てられた木造軸組構造です。柱と梁(はり)で重さを支えます」。学生たちは熱心にメモを取った。

 リフォームは、大阪市阿倍野区の不動産会社・西都ハウジングの松尾重信さん(41)が企画した。「不動産を借りるのが難しい立場の人たちに住まいを」との思いが出発点だ。

 猛烈な風雨が府内を襲った一昨年の台風21号の後、住宅に被害を受けた単身の高齢者らが、建て替え中に仮住まいするアパートさえなかなか貸してもらえない実情を目の当たりにした。

 昨年2月にカンボジアを訪れた。日本の介護福祉士の資格取得をめざし、日本語と介護技術を学ぶ現地校の学生らを見て、「彼女らが日本に来たとき、部屋を借りるのに困らないようにしたい」と思った。

 一般社団法人「大正・港エリア空き家活用協議会」も企画に加わり、国の高齢者向け住居整備モデル事業の助成金も得た。

 周辺は古くからの住宅地で、地域のつながりが強い。「住む人同士が関わり合いを持てるのはもちろん、地域の人にも開かれた場所にしたい」。設計を担当する横山俊祐・大阪市立大名誉教授(建築計画)は工夫をこらした。

 リビングの窓は大きくし、外のポーチにそのまま出られるようにする。「リビングやポーチでカフェや音楽会などを開き、入居者と地域の人が一緒に集まれたら」と横山さんは話す。

 入居は来年2~3月ごろ。賃料は4万円台(共益費など別)で検討している。詳しくはコモンフルール公式サイト(http://www.commonfleur.life-shift.org/別ウインドウで開きます)。(松尾慈子)