【動画】中国の無人月探査機「嫦娥5号」が打ち上げられた=奥寺淳撮影
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 月の土を採取して地球へ持ち帰ることを目指す中国の無人月探査機「嫦娥(じょうが)5号」が24日未明、打ち上げられた。月の試料を持ち帰る「サンプルリターン」は難度が高く、成功すれば米国、旧ソ連に続いて3カ国目、44年ぶりとなる。習近平(シーチンピン)指導部は「宇宙強国」の方針を掲げており、月や火星の探査のほか、独自の宇宙ステーションを2022年に完成させる計画も進めている。

 嫦娥5号が発射されたのは、同国南部・海南島の文昌宇宙発射場。午前4時半(日本時間同5時半)すぎ、嫦娥5号を載せた大型ロケット「長征5号」が点火され、赤い炎を噴きながら宇宙に向け上昇した。中国の宇宙当局によると、発射から約36分後に探査機が予定の軌道に乗り、打ち上げは成功したという。

 中国は04年に月探索プロジェクトを始め、13年12月に「嫦娥3号」が旧ソ連以来37年ぶりに月面に着陸。19年1月には世界で初めて「4号」が月の裏側に着陸した。しかし、今回の「5号」は月面着陸後の任務が多く、難度が高い。

 宇宙当局の計画によると、打ち上げロケットから切り離された探査機は月に着陸後、ロボットアームなどで約2キロの土などを採取し、サンプルを収めた小型発射機だけが探査機から分離して月面から飛び立つ。その後、月の上空で待機している周回機にドッキングして地球に向かい、サンプル回収機だけを切り離して大気圏に再突入する。

 月には豊富な鉱物や水資源などがあるとされ、中国は将来の資源利用も視野に入れているとみられる。国家宇宙局の月探査プロジェクトチームの裴照宇副主任は「月探索の目的は、科学的な研究や(将来の)開発に向けた技術を蓄積させることだ」と指摘。今回の全行程は23日間を想定しているとし、12月中旬に月の土を収納した回収機が地球に戻る予定という。

 月からのサンプルリターンは、1969年に米国の「アポロ11号」が初成功。その後は、76年に旧ソ連の「ルナ24号」が実施したのを最後に途絶えている。(文昌=奥寺淳)

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