飲食店閉店…厨房機器の行き先は 倉庫満杯、死んだ商品

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柴田悠貴
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 新型コロナウイルスの影響で、飲食店が次々と閉店していく中、大量の中古厨房(ちゅうぼう)機器がリサイクル業者に流れ込んでいる。使用年数が浅いなど、状態のいいものが手に入るとあって、急増する買い取り依頼に応じてきた結果、倉庫は在庫の山に。しかし、夏の「第2波」に続き「第3波」が急拡大する中、飲食業界に新規開店の動きは戻らず、先行きは不透明だ。

 10月上旬の朝、多くの飲食店が軒を連ねる大阪市北区の阪急大阪梅田駅高架下。パスタが売りの大手喫茶店チェーンの前に2トントラックが止まった。頭にタオルを巻いた作業員が、店内から次々と厨房機器を運び出す。大型のオーブンや飲み物の保温機……。トラックの荷台は30分ほどで埋まった。

 作業をしているのは、閉店した店から業務用の厨房機器などを買い取っている全国展開のリサイクル店「テンポスバスターズ」のスタッフたちだ。自社の再生工場に持ち込み、傷んでいる部品を交換したり、洗浄したりして、商品としてストックする。

 飲食店からの買い取り依頼が急増したのは緊急事態宣言が出された4月。全国約60店舗の平均で、前年同月比1・6倍あまりの約1800件の問い合わせがあった。全国展開するステーキのチェーン店や串カツ店、半世紀近く営業していた老舗、開業してから半年も経っていない店からも相談があった。夏ごろにはペースが落ちたものの、毎月前年比5割増しの中古機器を仕入れている。

 その一方で、引き取った厨房機器で再生工場や倉庫は満杯になり、新たに倉庫を借りて対応したり、洗浄作業を外部委託して作業効率を上げたりして、しのいでいるという。しかし、こうした状況が続くと、経費もかさむ上、新規出店による需要も新型コロナの流行前ほどの勢いはなく、先が見えない状況だ。

 同社大阪買取センター長の吉岡兆(きざし)さんは「置いてるだけでは死んだ商品。早くお店で活躍してほしい。こちらも、大量の在庫に不安はあるが、いつか来る繁忙期に期待して今は耐えるしかない」と打ち明ける。

フライヤーや保温機が売れ筋に、食洗機の需要は激減

 また、外食産業にデリバリー…

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