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 陸上配備用の迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」を、洋上で転用する導入コストの試算が関係者への取材でわかった。護衛艦、民間船、オイルリグ型(油井を掘るやぐら)の洋上3案は約1900億~約2800億円超にのぼり、いずれも既存の最新イージス艦(約1700億円)より高額となる。どの案に決まっても、自衛隊史上で最も高価な洋上装備となる見通しだ。

 防衛省は25日にも与党にこうした試算を示す。菅義偉首相は年末までに代替の方向性を示すよう防衛省に指示しているが、維持整備を含めた総コストは依然はっきりしないなかで、省内には「今の段階で選定を進めるのは拙速」と危惧する声も出ている。

 導入コストはイージス・アショアの本体価格や、洋上で使えるよう改修する費用、船体の購入費などを含む。防衛省が、専門企業に委託した調査の中間報告をもとに試算した。

 関係者によると、アショアの構成品を転用する洋上3案のうち、①護衛艦に載せて「イージス艦」とする場合は約2400億~2500億円超②民間船は1900億~2千億円超③リグは2100億~2800億円超(いずれも1隻あたりのコスト)。あくまで「現時点で入手可能な情報をもとに試算した規模感で、さらに上ぶれする可能性がある」(関係者)という。

 今回は、1カ月ほどの短期調査から得られた試算で「変更があり得る」とされた。ランニングコストは試算すら困難で、防衛装備品の選定で政府が重視している総コスト(ライフサイクルコスト)がどこまで膨らむかは見通せていない。(伊藤嘉孝、寺本大蔵)