金島淑華
「ちょっと、太ったんじゃない? 顔がパンパン」
ビデオ電話の画面越しに母が言った。
私(38)ではなく、当時2歳の息子(3)に対してだった。
コロナ禍の中、子どもの外遊びやスポーツの現状について取材しながら、ふと、そんな記憶がよみがえることがある。
緊急事態宣言期間まっただ中の5月だった。保育園から登園自粛要請が出て、自宅保育に。息子は家から一歩も出ない日もあった。
なんとなく顔が丸くなった気はしていた。母に言われ、体重計に乗せてみたら、育ち盛りとはいえ2カ月前より1キロも増えていた。
これが、コロナ太り――。そう感じた。
私が住む東京都国分寺市では、新型コロナウイルスの感染者数が増え始めた3月、児童館や図書館などが次々と休館になった。
近隣の大きな公園も休園に。外遊び仲間のママたちの間で、悲痛な叫びがLINEで飛び交った。
「子どもたちの行き場がない」
「親も子もストレス限界」
4月7日に首都圏などで緊急事態宣言が出されてからは、そうした会話もなくなった。感染の恐怖に加え、「今は我慢して当然」という空気が広がっていたからだろう。
雨の日でも児童館などに遊びにいくのが習慣で、巣ごもりに慣れない息子は「お出かけしたい」と言うようになった。
影響は、コロナ太りにとどまらなかった。
新型コロナウイルスの感染拡大は、子どもたちの遊びや運動にも影響を及ぼしました。「外遊び」をキーワードに、子どもたちの今を探る連載を始めます。まずママ記者の実体験から。
在宅勤務が基本だった私。日中…
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