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 世界遺産の奈良・東大寺(奈良市)で毎年2月から約3週間にわたり行われる修二会(しゅにえ)(お水取り)について、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、参拝者に人気の「お松明(たいまつ)」は来年3月12~14日を非公開にする。寺が24日発表した。

 春の訪れを告げる修二会は大仏開眼と同じ752年に始まり、来年で1270回目。練行衆(れんぎょうしゅう)と呼ばれる僧侶が、3月1~14日にお堂で寝泊まりし、二月堂本尊の十一面観音菩薩(ぼさつ)に世の中の罪をざんげして天下泰平などを祈る。

 夜に二月堂に上がる僧侶を導くお松明は参拝者に人気で、ひときわ大きな籠松明(かごたいまつ)に火をともす12日夜には例年1万~2万人が来場しているという。来年は3月12~14日が週末にあたり、多くの参拝者が予想されることから、この3日間は午後5時以降のお堂周辺への立ち入りを禁止する。

 拝観できない人のために、奈良公園にある春日野園地に大型モニターを置き、映画監督の河瀬直美さんが撮影するお松明の様子を生配信する。映像配信は、奈良市内の一部の宿泊施設への配信を予定しているほか、スマートフォンなどで視聴できないかどうかも検討するという。

 3月1~11日は、お松明の様子を見ることができるが、二月堂付近や大仏殿近くに設けられる第2拝観席の入場者数を約2千人に制限する。1日からの本行に入る練行衆には、10日ほど前から外部との接触を避けることや、PCR検査の実施を求める方向で検討しているという。

 狹川普文別当は「今後の感染状況は見通せないが、1300年近く続けてきたものを後世に引き継ぐために、より厳しい状況にも対応できる内容を考えた」と話した。(渡辺元史)