拡大する写真・図版新型コロナウイルスのゲノム解析の例。各地域の患者から採取されたウイルスが互いにどのように関連しているのかを調べる=米科学誌サイエンスの論文から

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 新型コロナウイルスの感染が急拡大していることを受け、政府の分科会が今月、対策として緊急提言した5項目の一つに「遺伝子解析の推進」が盛り込まれた。ウイルスがもつ全ての遺伝情報(ゲノム)を調べる手法だ。解析を通して、何がどこまでわかるのか。

ウイルスの変化を追い感染ルートを推測

 新型コロナの感染者を乗せて、2月に横浜港に到着した大型クルーズ船・ダイヤモンド・プリンセス号。国立感染症研究所は、同じ客室にいた2人の感染者について、隔離中の客室内で1人からもう1人へとウイルスが伝わったと推定した。その大きな根拠となったのがゲノムだった。

 新型コロナウイルスは、ゲノムの情報をもとに自分のコピーを生み出していく。このとき使われるゲノムは、A、U、G、Cという4種類の文字で表される「塩基」が約3万個も並んでできたRNA(リボ核酸)に保存されている。

 遺伝情報は変化(変異)しやすく、おおむね15日間に1文字のペースで、塩基が別のものに変異していくことがわかっている。

 同室だった2人の場合、それぞれの検体から得たウイルスのゲノム情報を感染研が調べたところ、1文字だけが異なっていた。旅行中の夫婦や近親者なら一緒に行動することが多く、室外で他人から同時にうつったなら、2人のウイルスのゲノムも一致するはずだ。

 なぜ2人の感染したウイルスの…

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