川野由起
17歳の少年が年の離れた女性と関わり合うようになったのは、ちょっとした「失敗」がきっかけだった。
朝もやの中、ネックウォーマーにダウン姿の佐藤太陽君=宮城県栗原市=は、原付きバイクから新聞を1部とって玄関に向かうと、いつもの郵便受けに白い封筒が貼ってあるのに気づいた。
拡大する配達に使うバイクには、佐藤君の父親がケースをとりつけてくれたという=2020年10月26日、宮城県栗原市、川野由起撮影
「お家に帰ってから読んでね」。そばにいた小柄なおばあちゃんが、はにかみながら話しかけてきた。新聞を届けるとたまに声をかけてくれる人だ。
封筒には「頑張れ、新聞少年!」の文字。受け取っていいのかな? 戸惑いながらお礼を言った。配達を終え、路肩にバイクを止めて封を開けると、白い便箋(びんせん)が入っていた。
拡大する佐藤君が三浦さんからもらった手紙。大事にとっているという=2020年10月26日、宮城県栗原市、川野由起撮影
前日の朝、50年以上購読している全国紙とは違う地元紙が入っていたこと。たまには違う新聞もいいかと開いたら、いい記事に巡り合ったこと――。
そこまで読んで、誤配に気づいた。手紙は続く。
「『けがの功名』のことわざの…
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朝日新聞社会部