文通相手は74歳差 新聞少年に届いた「ありがとう」
川野由起
17歳の少年が年の離れた女性と関わり合うようになったのは、ちょっとした「失敗」がきっかけだった。
朝もやの中、ネックウォーマーにダウン姿の佐藤太陽君=宮城県栗原市=は、原付きバイクから新聞を1部とって玄関に向かうと、いつもの郵便受けに白い封筒が貼ってあるのに気づいた。
「お家に帰ってから読んでね」。そばにいた小柄なおばあちゃんが、はにかみながら話しかけてきた。新聞を届けるとたまに声をかけてくれる人だ。
封筒には「頑張れ、新聞少年!」の文字。受け取っていいのかな? 戸惑いながらお礼を言った。配達を終え、路肩にバイクを止めて封を開けると、白い便箋(びんせん)が入っていた。
前日の朝、50年以上購読している全国紙とは違う地元紙が入っていたこと。たまには違う新聞もいいかと開いたら、いい記事に巡り合ったこと――。
そこまで読んで、誤配に気づいた。手紙は続く。
「『けがの功名』のことわざ…
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