千葉卓朗
自動車の「音」を消したり、心地よくしたりする部品メーカーの「セキソー」(愛知県岡崎市)。電動化で車が静かになっても、ニーズはあるのか?
――車が出す「音」をコントロールする製品にこだわっています。
「樹脂の内外装部品を手がけてきましたが、2010年に『音をデザインするメーカー』を目標に掲げました。きっかけは98年、『ポーラスダクト』という部品の生産を始めたことです。非常に細い樹脂の繊維でできたフェルトのような不織布のダクトで、エンジンの騒音を減らします。元々は欧州でつくられ、トヨタの担当者を通じて知りました。仏メーカーと技術提携し、日本で生産ラインを立ち上げました」
――どんな仕組みですか。
「エンジンはダクトを通じて空気を吸い込む時、大きな吸気音を出します。エンジン内部のバルブは短時間に何回も開閉するため、吸気ダクト内では空気が脈打って共鳴し、音が増幅するのです。従来、吸気音を小さくする部品は『レゾネーター』という空洞の箱だけでした。しかし、ある周波数の音は小さくなるのですが、別の周波数には効果がない。このため、音が不連続に大きくなり、『ボロローン』という不快な音を発していました」
「ポーラスダクトは、繊維の無…
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