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 三重県教育委員会は、過去の災害の教訓を後世に残すため、冊子「石碑(いしぶみ)が伝える災害の記憶と警鐘」を発行した。江戸時代に起きた地震や津波の被害を示した県内8カ所にある石碑を紹介している。

 昨年11月に県総合博物館で開いた災害と石碑に関する企画展が好評だったため、冊子にまとめた。掲載した8カ所の石碑については職員が現地まで取材に行き、市町村史や指定文化財の調査資料などを調べ、解説や碑文の現代語訳を記した。

 冊子によると、県内では北は桑名市から南は熊野市まで20カ所で、江戸時代以前の石碑が確認されている。いずれも宝永地震(1707年)や安政東海地震(1854年)に関するものという。

 「この経塚(石碑)の場所まで津波が押し寄せた」(県教委の現代語訳から)。南伊勢町贄浦の最明寺門前にある石碑にはこう刻まれている。宝永地震の津波を示し、同地区で60人の犠牲者が出たという。そして将来世代へ警告する。「もし大地震が起これば、必ず高波(津波)が来ると知りおきなさい。後の世のために記す」

 県教委社会教育・文化財保護課の担当者は「石碑は文化財的な価値と災害史的な価値を持つ。石碑に刻まれた先人からのメッセージを感じて欲しい」と話す。

 冊子はA4判フルカラーで10ページ。2月に3千部発行し、掲載している石碑がある地域の中学校や市町に配った。県庁内で入手できる。問い合わせは、同課(059・224・2999)。(大滝哲彰)

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