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 コロナ禍でのキャンパス生活を逆手にとり、首都圏の大学生に福島の現場を知ってもらう取り組みが行われている。ネットで応募した4人が白河市に約1カ月間滞在し、オンラインで大学の授業を受けながら、すき間時間に食をテーマに生産現場へと足を運び、パソコンでは得られない学びを体験している。

 市内でゲストハウスやカフェを運営する青砥和希さん(29)らが新しい環境で勉強してもらおうと「ふるさとキャンパス」として企画。参加者をホームページなどで募ると、首都圏から女子3人、男子1人の大学生が集まった。今月16日から12月15日までゲストハウスに宿泊し、滞在費は2万円で、交通費と食費は別途自身で負担する。

 24日は午前中、同市内の酒蔵へ行き、日本酒の仕込みなどを見学。午後は西郷村のこんにゃく工場で、こんにゃく芋をすりつぶして製品にする過程を学んだ。

 明治大2年の勝田陸さん(19)は春から一度もキャンパスへ行っていない。自宅でオンライン授業を受け、友人に会うのも週に1、2度。「ストレスがたまっていました。でもここではいろんな人から話を聞くことができて新鮮です」と話した。

 参加した4人によると、大学の授業は体育以外はオンラインだったり、後から配信動画を見てリポートを出したりするケースもある。東京農大3年の霧生(きりゅう)彩乃さん(20)は実習もオンラインで受けている。「東京にいたら、こういう経験はできません。将来は地域と東京を結ぶ仕事がしたい」と語った。

 青砥さんの個人的なネットワークを通して視察先を広げ、4人は今後も農家などへ見学に行くほか、南相馬市で東日本大震災の被災状況を聞く機会もあるという。最後には見聞きした経験をもとに、食のPRプロジェクトを発表する予定だ。

 青砥さんは「県南部には大学がなく、我々にも刺激になります。多くの人と出会うことで、福島県を第二のふるさとと思ってもらえたら」と話している。(田中基之)

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