[PR]

 2018年に文化勲章を受章した陶芸家・今井政之さん(89)=京都市山科区=の卒寿を記念した個展が25日、下京区の京都高島屋で始まった。収縮率の異なる色土をはめ込み、広い面に展開させる「面象嵌(ぞうがん)」という技法で制作した大皿など約70点を展示している。

 今井さんは、戦争中に疎開先の広島県で豊かな自然に触れ合った経験から、身近な生き物や植物を描いた作品が多い。全国を訪れ、モチーフとなる動植物を実際に見てデッサンをしているといい「図案ではない。生き物と対話し、作品の中に一体化させる」と語る。

 今回の個展には、タンチョウや沖縄の高級魚ミーバイをデザインした大皿や、黄色いカナリア2羽が向き合う花瓶などを出した。近年は、磁器に面象嵌を施す技法にも挑戦。カワセミを描いた磁器の香炉など、10月末に窯出しした最新作5点も並べた。

 昨秋、京都市名誉市民にも選ばれた。今井さんは「挑戦する心が大事。白寿でどんなものを作っているか楽しみ」と話した。

 個展は12月1日までの午前10時~午後8時(1日は午後4時)。入場無料。問い合わせは同店(075・221・8811)へ。(紙谷あかり)

関連ニュース