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 兵庫県尼崎市で今月、発砲事件が相次いだことを受け、住民団体「市暴力団追放推進協議会」が25日、市塚口本町4丁目のグンゼタウンセンターつかしん前で暴力団追放を訴える街頭キャンペーンを実施した。住民30人と警察、行政などが連携し、「断固拒否!」と書いたチラシなど500セットを通行人に配った。

 尼崎市内では3日、特定抗争指定暴力団・神戸山口組の直系組長(64)ら2人が銃撃され、18日には対立する特定抗争指定暴力団・山口組系の組幹部宅に複数の銃弾が撃ち込まれた。いずれも住宅街で起きた。

 かつて尼崎は公害や「暗くて治安が悪い」イメージがあったが、近年、交通の利便性などが評価され、関西で「住みたい」街として注目されている。住宅ローン専業大手のARUHIの「本当に住みやすい街大賞2018in関西」では、JR尼崎駅周辺が1位に。テレビ大阪による「関西住みたい街ランキング2019」では、尼崎市が5位にランクイン。昨年、市が実施した市民意識調査でも、市のイメージが「よくなった」と答えた人が調査開始以来初めて5割を超えた。

 こうした中で発砲事件が起きた。同協議会は25日、「市民の平穏な日常生活を壊し、市民ひとりひとりが幸せに暮らす権利を著しく侵害する許しがたい行為」とする声明文を発表。同会長は「度重なる発砲事件で尼崎が危ないまちとして定着してしまった」と嘆きつつ、「暴力団にとって住みにくいまちを目指す。事務所か居宅かは関係なく、尼崎での暴力団の存在をなくす方向へ持っていきたい」と決意を語った。

 同会は2018年4月に発足し、市内の暴力団事務所の追放運動を支えてきた。発砲事件が立て続けに起きたことから、今回初めて声明文を出した。

 一方、市は、市民の不安が高まっているとして組員宅に対する警戒など、市民の安全確保を求める申入書を19日、県警に提出している。

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 兵庫県尼崎市内で今月、発砲事件が相次いだことを受け、県警は、暴力団犯罪対策にあたる捜査員らでつくる「特別暴力団対策隊(特暴隊)」を市内に投入し、警戒を強化している。特暴隊を示す腕章を巻いた捜査員たちが地域を巡回し、暴力団が絡む事件を封じ込める狙いがある。

 県警によると、特暴隊は、歓楽街での暴力団活動の抑止のため2017年に発足。山口組と神戸山口組が特定抗争指定暴力団に指定された今年1月を機に、抗争事件の激化にも対応できるよう態勢を強化した。刑事部や尼崎市内3署などの捜査員で構成しているが、規模は非公表。2度目の発砲事件の翌19日から市内に投入されている。

 尼崎市は、特定抗争指定された山口組、神戸山口組双方の活動を大幅に制限できる「警戒区域」に指定されている。

 だが今月3日には、尼崎市稲葉元町2丁目で、神戸山口組の直系組長(64)ら2人が銃撃され、その後、対立する山口組系の組幹部(52)ら2人が殺人未遂容疑で逮捕された。続く18日には、北へ約1キロ離れた同市南武庫之荘5丁目の山口組系の組幹部宅に、複数の銃弾が撃ち込まれた。県警は3日の事件の報復の可能性があるとみて捜査している。

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