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 デジタルシフトが進んでいます。次の社長もリアルに会わずとも決められる時代になったと、政府の規制改革推進会議議長の小林喜光さん(三菱ケミカルホールディングス会長)は語ります。はんこ文化の見直しの先に私たちは何を迫られるのか、聞きました。

拡大する写真・図版小林喜光さん

こばやし・よしみつ 三菱ケミカルホールディングスで8年間社長を務め、2015年から会長。政府の規制改革推進会議議長には、19年10月に就任。総合科学技術・イノベーション会議議員でもある。15~19年の4年間、経済同友会代表幹事を務めた。

 ――この取材もオンラインです。デジタル化で、仕事の仕方は変わりましたか。

 「コロナ前は、ウェブ会議は主流ではなかったけれど、いまメインはウェブ、規制改革の会議もほぼウェブになりました。担当する河野太郎大臣と対面で会ったのは、まだ2、3回ですよ。最近はさすがに人恋しさというか、家にばかりいると太りますし、週に3回ほどは出社していますが」

 ――コロナ禍に加えて菅政権へと代わったことで、デジタル化の何が加速したのでしょう。

 「アナログ文化で出遅れた日本を変える。デジタルの方向へ向かう。菅義偉総理、河野大臣はこのメッセージをしっかり伝えて、不要な対面や文書への押印をなくすという規制の撤廃を前面に、明快に打ち出しました。国民にわかりやすい手法です。この2カ月で、政治はエンジンを全開にして方向を切り替えました。規制改革の会議は法律論も含めて、専門的に整理していくハンドルの役割だと認識しています」

いまが最後のチャンス

 ――河野さんは「価値をつくり出す規制改革」を掲げています。どういう意味ですか。

 「日本のアナログ文化を破壊するには、相当なエネルギーがかかります。たて割りの社会ではもうもたない、デジタルの新しいアーキテクチャー(設計思想)の必要性をあぶり出したのも、コロナでした。菅政権はそこをひじょうに敏感に感じとりました。いまが最後のチャンスととらえているのでしょう。これは、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする、カーボンニュートラルへの対応と共通するところです」

 ――しかし政権は、アナログの日本社会をつくり変えるという発信、めざす社会像への言及は少ないと感じます。

 「押印一つとっても、1万5千種類もの行政手続きがあるんですよ。デジタル庁や環境問題も含めて、個々の問題があまりに複雑怪奇なために、全体像や理念を語る時間がいまのところないのでしょう。菅さんは、携帯電話料金を安くするとか、単に国民にわかりやすい政策を言って終わる方とは思えない。順番が普通の人と違うだけではないですか」

小さい点数でいいから稼いでいく

 ――小林さんは以前、著書で「『構想力』なき『政治屋』は有害でさえある」と書いていましたが。

 「構想以前の問題じゃないかな…

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