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 昨年12月、鹿児島県の南大隅町の根占港沖で旅客船「なんきゅう」(総トン数19トン)が高波を受けて大きく揺れ乗客14人がけがをした事故で、運輸安全委員会は26日、調査報告書を公表した。運航を中止すべき風速だったのに、船長が中止にする条件を勘違いして出航したことが事故の発生につながった可能性があるとした。

 報告書などによると、旅客船は根占港を出港した4分後、北北西に約12ノット(時速約22キロ)で航行中に高さ約1・5~2メートルの高波を受けた。乗客55人が乗っており、波の影響を受けやすい前方の乗客を中心に体が浮き上がって、おしりを席に打ちつけたという。

 運航会社では、港内で風速毎秒10メートル以上または波高が0・5メートル以上ある時は運航を中止するとの安全管理規定を設定していた。出港時の風速は平均で毎秒10メートルあったが、船長は波高が基準を満たしていれば出港が可能と勘違いしていたという。

 また、運輸安全委の解析によれば、もしこの船が8ノット(時速約15キロ)まで減速していれば、乗客がけがをする可能性は低かったという。安全委は、波の影響で船が揺れる時は十分減速することや、出発の判断の基準を船長に守らせることを運航業者に指導するよう、国土交通相に勧告した。(贄川俊