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 北海道旭川市の石狩川河川敷にある、アイヌ民族の伝説に登場する「魔神の頭」の流木が4年ぶりに取り除かれ、きれいな姿をみせた。

 「魔神の頭」は石狩川が上川盆地から狭い谷を通り空知平野に抜ける、旭川市郊外のかつての交通の難所、神居古潭(かむいこたん)地区にある。魔神ニッネカムイと英雄神サマイクルが激闘を広げ、魔神は最後に首を切られて敗れた、という伝説が残る。

 その「魔神の頭」と言われてきたのが、高さ約3メートルの岩だ。右岸にあり、魔神が大きな口を開け、叫んでいるような姿にみえる。

 ところが、2016年の豪雨で川があふれ、魔神の頭には流木が多数からまってしまった。

 今年に入り、この流木をなんとかしようと関係者が動き出した。地形を通し、地球と人々の暮らしのつながりを学ぶ「ジオパーク」構想を進める旭川市や周辺6町などでつくる協議会は、「アイヌ民族の伝説のある岩を、きちんとした形で多くの人に知ってもらいたい」と、国交省旭川河川事務所に要望。同事務所も「伝説の地でもあり、流木がからまったままだと河川管理上も問題だ」と応えた。流木の撤去作業は今月上旬に行われ、魔神の頭はすっきりした姿を現した。

 魔神の頭は、約160年前にこの地を踏査した松浦武四郎の記録にも、スケッチが残っている。同協議会の岩出昌専門員は「武四郎のスケッチと同じ姿が現れた。魔神の伝説を知らない人もまだ多いので、これを機会に興味を持ってもらいたい」と話す。

 魔神の頭のある河川敷は、一般の立ち入りができない場所のため、協議会は今後、見学ツアーなどを計画していくという。(本田大次郎)