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 東京電力福島第一原発にたまり続ける処理済み汚染水の処分をめぐり、政府は二次処理後に海水で薄めて海に流す方向で最終調整を進めている。今回の政府の動きをどう考えればいいか。原発事故後の福島の魚の状況や、風評被害に詳しい筑波大学の五十嵐泰正准教授(社会学)に聞いた。

 政府はいつ海洋放出を決めるか明らかにしていないが、「いつまでも先送りすることはできない。できるだけ早く処分方針を決めたい」(菅義偉首相)などと説明している。

 「科学的には問題ない措置とはいえ、福島の漁業の現状から見れば最悪のタイミングだと言える」。海洋放出の決定が濃厚であることに対し、五十嵐さんはこう話した。

「五輪後放出」のシナリオ?

 原発事故後、福島沿岸では、対象となる魚種や水揚げ日を管理しながら漁をする「試験操業」が続いた。検査の積み重ねで安全性が確認できたため、福島県漁業協同組合連合会(県漁連)は来春以降、制約のない「本格操業」に移る方針だが、出ばなをくじくように海洋放出の決定が浮上している。

 これまでの政府の意思決定について、五十嵐さんは「迅速な政治決断も逃し、ゼロベースの合意形成もなされなかったと思う。なし崩し的に海洋放出に突っ込む印象だ」と指摘する。

 経済産業省は処分方法について有識者の委員会を設け、地層注入▽海洋放出▽水蒸気放出▽水素放出▽地下埋設――の5案を議論。その結果として海洋放出が選ばれた形だが、五十嵐さんは「ゼロベースの議論には見えなかった」とみる。

 「原発近くの敷地を買ってタンクを増やすといった案は議論されず、海洋放出ありきで進んだように受け止められた。『東京五輪が終わったら放出』のシナリオが決まっていたのだろうと、多くの関係者が思っていた」

 海洋放出が決まったときに何よ…

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